神秘に満ちたシュタイナーの黒板絵

02 28, 2009
黒板絵02A

ルドルフ・シュタイナーは100年ほど前のヨーロッパで活躍した「知の巨人」のひとりです。

当時のハンガリー(現在のクロアチア附近)で生まれ、ゲーテ研究家から始まり、哲学博士、人智学創始者、著述家、教育者などでした。

彼の活動は教育・医学・薬学・建築・絵画・オイリュトミー(ドレイプローブを着た舞踏)・農学・社会運動などに大きな影響を与えました。

指揮者のブルーノ・ワルターや作家のミヒャエル・エンデ、同じく作家のソール・ベローや芸術家のヨードフ・ボイスといった人たちも影響を受けたり、直接指導を受けたと言われています。

シュタイナーの全集がじつに354冊にも及ぶことからも彼の巨人ぶりが窺えますね。

彼の思想や教えを軸にしたいわゆる「シュタイナー学校」は、現在世界50ヶ国以上で総計800校以上にも及びます。

この日本にも確か4~5校あり、教科書なし、試験なし、通信簿なしの8年担任制で有名です。

しかし文科省の規定から外れるために普通の学校としては認可されてないようですが、その豊かな感受性教育で優れた人材を輩出しています。

そんなシュタイナーが授業で描いた黒板絵があまりに素晴らしく、そのまま消してしまうのは勿体無いと考えたひとりの学生が、毎授業ごとに黒板に大きな黒紙を貼って残してくれたお陰で、僕たちは100年後の日本でこの黒板絵を見ることが出来るのです。

一見落書きのようなチョーク絵ですが、その深遠さと神秘性そして英知に満ち溢れたその絵を一度でも見ると一気に引き込まれてしまいます。

書かれた言葉は授業を受けている訳ではないので、意味不明な単語の羅列なのですが、眺めているだけで見ている者の意識が触発されるような不思議なパワーに溢れています。

ですから僕は仕事場のデスクの正面にいつでも表紙が見えるように立てかけています。

この本の存在そのものが、あたかも見る者の意識の覚醒を促しているかのような不思議な引力を感じさせるインスピレーションの源泉のような本です

元々は展覧会のカタログのような記念的な出版だったようで、現在は絶版になっているのが残念です。

それでも古本屋で偶に入手が出来ますし、図書館でも見つけられます。

ルドルフ・シュタイナー 遺された黒板絵ルドルフ・シュタイナー 遺された黒板絵
(1996/11)
ルドルフ シュタイナーヴォルフガング ペーント

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一度は手にとって短い説明文を読みながら静かに眺める価値ある一冊です。

黒板絵03
黒板絵01A


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