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ダッチアクアリウム(オランダ式水草水槽)の哲学

11 20, 2012
ダッチ1216b

欧州、特に北欧や英国ではガーデニングが盛んですが、高緯度地域では冬が長く夏が短いため春を待ち焦がれて屋外で緑の季節を楽しみます。

また南方の植物相に対する憧れもいっそう強いのでしょう。
大航海時代には世界中から欧州に珍しい南の植物が集められ貴族たちを南方幻想に誘いました。そして寒い冬でも観葉植物や花を楽しみたい気持ちが温室を作り出しました。1759年に始まる英国のキューガーデン(王立植物園)などはその成果の結実です。

そしてアクアリウム(水生生物の飼育設備)の世界でも北欧は先進国です。
例えば熱帯魚と言うとアマゾンや東南アジアやアフリカをイメージします。
確かに原産地はそうなのですが、品種改良やブリーダーやアクアリウム設備の本場はじつはドイツやオランダなど北欧なのです。

長い冬期を楽しむ温室の延長線上に独自に発達したのが水草水槽であり、オランダはその先進国としてダッチアクアリウムと呼ばれる「オランダ式水草水槽」を発達させて来ました。

ダッチアクアリウムの高い美意識は水草レイアウトのデザイン基礎を黄金比分割(1:1.618)に求めたことによく表われています。

また小型の背の低いロゼッタ型(茎のない葉だけのタイプ)の水草を水槽後部まで植え込むために底床後部を舞台装置のように段状に高くしますが、これが遠近効果を作り出します。また前景用の小型水草を多く取り入れることでレイアウトに流れを作り出し、隣り合う水草の種類を視覚効果を計算して形状や色彩の異なるものを意図的にレイアウトします。

さらに水草の成長をコントロールする為に種類によって異なる肥料量をそれぞれ水草ごとに変えて底床にセットするのです。今では当たり前になった光合成に必要なCO2を強制添加する技術も早くから開発されて来ました。このような工夫と技術により、水槽という限られた空間内でも密集した植物相を楽しむことが出来るようになったのです。

水槽内では自然を模した循環連鎖が作り出されています。

魚の排泄物から発生したアンモニアを底床に住む好気性バクテリアが分解し亜硝酸に変えます。さらに別種のバクテリアが亜硝酸を分解して硝酸塩に変えるのですが(いわゆる濾過)、この硝酸塩が水草の肥料となるのです。この肥料を吸収した水草は魚やバクテリアが呼吸で排出したCO2を光合成で酸素に変え、それによって魚や好気性バクテリアが生きていく為に必要な水槽環境が整えられるのです。この様にして水槽内の「循環小宇宙」が形成されいるのです。

ダッチアクアリウムと近年流行りのネイチャーアクアリウムはアクアリウム哲学が全く異なります。

ネイチャーアクアリウムは日本のアクアリウムメーカーADAの天野氏が提唱する石組みや流木組みがメインの手法であり、成長の早い有茎水草(茎のあるもの)は極力排除した水草自身よりも水景を主体に楽しむ日本的なレイアウト法と言えます。石組みのレイアウトを黄金比分割に求めたのはダッチアクアリウムの影響かと思われます。

少し古いですがダッチアクアリウムの歴史的名作は一見の価値があります。

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※画像は「水草の楽しみ方」からの転載です。


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